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2024年01月19日16:37

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青木和夫編『古代アメリカ文明』

 青木和夫編『古代アメリカ文明 マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像』(講談社現代新書、2023年)を読了。世界に一次文明はメソポタミア文明、中国文明、メソアメリカ文明、アンデス文明の四つしか誕生しなかった。一次文明とは元々、如何なる文明もないところから生まれたオリジナルな文明を指す。
 メソアメリカおよびアンデスという一次文明の研究は西洋中心史観や旧大陸中心史観を相対化する。メソポタミアとアンデスは乾燥した大河の流域ではなく、高地と低地の極めて多様な自然環境で文明が発達した。一方でメソアメリカは大型家畜なき人力文明だった。
 メソアメリカとアンデスでは基本的に石器が主要利器であって鉄器は用いられず、アンデス文明は無文字文明でもあった。また、絶対的な権力を行使する王を戴く統一国家は、メソアメリカとアンデスには誕生しなかった。古代アメリカの二大一次文明は人類の文明とは何かをより深く考える上でも重要だ。
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