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2024年01月02日16:28

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荻原規子『白鳥異伝』

 荻原規子『白鳥異伝』(徳間文庫、2010年)を読了。日本神話を題材としたファンタジー小説である『空色勾玉』の続編。今回はヤマトタケルの伝説がモチーフになっている。
 三野(美濃)で双子のように育った遠子と小倶那は、都から大碓皇子が来たことで離れ離れになってしまう。大碓とそっくりな小倶那は皇子の影武者となるために修行するが、「大蛇の剣」の主に選ばれてしまい、豊葦原に破壊を撒き散らす。遠子は「大蛇の剣」に対抗できる「玉の御統」を求めて全国を流離う。
 本作は前作と違い、神々は表立って登場しないが、「大蛇の剣」や「玉の御統」の力は人知を超えている。それに翻弄される人々のドラマには読み応えがあり、これまでにない捻りをヤマトタケル伝説に捻りを加えているのも面白い。次作たる『薄紅天女』はどうやら坂上田村麻呂の伝説がモチーフで、狭義の日本神話からは外れるか。
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