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2023年08月14日09:42

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森茂暁著「足利尊氏」を読んで


照る日曇る日 第1939回

公凶放送の大河ドラマが鎌倉幕府をやったので、次は南北朝から室町幕府をテーマにして後醍醐天皇や足利尊氏をやってくれないかなと期待していたら、なんと徳川家康の超変態物だったのでがっかり。仕方なくこんな本を読んでみました。

尊氏のお母さんは私の郷里の丹波の山奥の上杉という田舎の産なので、そこはかとない好意を懐いているからなのです。

この本のセールスポインとは、類書が怠っている尊氏、直義、直冬、義詮などの発給文書を全面に押し出して、彼らの政治や戦争や人となりを物語るというんで大いに期待したんだけれども、大した発見もなく、だいいちっ古文書を出してもきちんと現代日本語に全訳する親切を持ち合わせていないので、なんだこいつは、と反発を覚えてしまう。

古文書で歴史を語るなら、著者が敬慕している高柳光寿選手とか、網野善彦大先生の先例もあるわけだから、きちんと従ってもらいたかったずら。

んなわけで、古文書中心主義には殆ど見るべき成果はなく、おおむね旧来の定説に殉じただけの尊氏一代記にさしたる魅力を覚えることなく、年表付きの254pを読み終えたことでした。

   ミジンコほどの小さき孫もいて17匹のメダカの家族 蝶人

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