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2023年08月09日10:30

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ボブ・デイラン著・佐藤良明訳「ソングの哲学」を読んで



照る日曇る日 第1937回

なんとノーベル賞を獲得しちまったボブ選手が、なんとまあ岩波書店から出した最新作がこれ。

さすがは音楽と文学両世界の稀有な天才らしく、単なるポピュラー音楽史の解説にとどまらず、曲や歌手、作詞作曲家への極私的、哲学的、詩的なアプローチが興味深い。

原題は「モダンソングの哲学」だが、ボビー・ベアの「デトロイト・シティ」から始まり、ディオン&ザ・ベルモンツの「ホエン オア ホエア」に到る全66曲のポピュラー曲を題材に独自な視点から接近して、殆ど奇想天外な解釈を施しているのはさすがだ。

できたら本書に該当曲の音源が帯同されていたら、もっと琴瑟相和コンコルドして良かったと思うが、無い物ねだりか。

さりながら当該のレコードやミュジシャンに加えて、往年のアメリカ映画や芸能界や関係したりしなかったりする関連写真を記事の前後にサンドウイッチしているのだが、これが本文と同じくらい無類に面白いのである。

なお、102pの「泣き喚いたレコードたち」や313pから317pまで続くボブ選手の歴代映画評は必読なり。

   時々は我に返って思い出す真珠湾あっての広島長崎 蝶人

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