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2023年07月21日12:35

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笹生衛『まつりと神々の古代』

 笹生衛『まつりと神々の古代』(吉川弘文館、2023年)を読了。平安時代中頃の十世紀という時代は神観と祭祀のあり方が古代以前から中世以降へと変化する大きな転換点となった。十世紀は自然災害が頻発して激甚化し、大規模な内乱が発生した。
 このように不安定な状況の中、日本列島と南北の周縁部、更には朝鮮半島・中国大陸までが広範囲に連動し、人間の活発な移動・交流が行われた。その結果として十世紀から十二世紀、東アジアの各地で文化が相互に接触し、影響を与え合ったことで地域文化の攪拌が起こった。
 これらによってそれまでの社会・文化が再編成され、新たな社会・文化を生み出していった。十世紀の日本列島でも古代国家そのものが変質し、神への信仰と祭の変化に影響を与えた。これらの現象は十一・十二世紀に展開したアイヌ文化と沖縄文化の形成とも連動していた。
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