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2023年06月30日16:46

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韓国映画「告白、あるいは完全な弁護」(ネタバレあり)

IT企業の社長・ミンホ(ソ・ジソプ)は、不倫相手のセヒ(ナナ)を殺した容疑で逮捕されていたが釈放される。彼は無実を訴えて、自分の持つ山奥の別荘に、敏腕女性弁護士のシネ(キム・ユンジン)を呼び、無罪を勝ち取るための打ち合わせを始める。

ミンホは、「不倫をバラす」と手紙で脅迫され、指定のホテルに、セヒとともにいたところ、部屋に潜んでいた何者かに襲われ、頭を殴打された。
気が付けばナナも殺されていたー。
真犯人をつかまえてほしい、と訴える。

弁護士のシネは、青年の写真を取りだしてミンホに見せる。
動揺するミンホ。行方不明になり、両親がずっとさがしている青年なのだ。

ミンホはセヒと別れ話が出ていた。
一緒に過ごした別荘から、セヒの運転で街に帰る途中、人に見られないよう一般道でない山道を選ぶが、急に飛び出した鹿をよけようと慌ててハンドルを切ったところ、運悪く対向車がやってきて、対向車は木に激突。乗っていた青年は衝撃で亡くなっていた。

セヒは、誰も見ていないから、と青年の遺体をトランクに押し込める。
そしてミンホはそのクルマを湖に沈め、セヒはミンホのクルマで帰り、あとで落ち合うことにするが、エンジンがかからない。

そこに通りがかった男性(チェ・グァンイル)はそれを見て、修理してあげるから、と親切に言う。
言われるがまま直してもらい、セヒは男性の家で一休みするが、家族写真を見て絶句。
写っていたのは、あの青年だった。

動くようになったクルマでセヒは帰っていくが、息子はその日から行方不明となり、両親は彼女に不審感を抱く。セヒの乗ったクルマのナンバーで照会すると、ミンホのクルマだとわかる。

ミンホは、会社の弁護士には「社のクルマだからいろんな人が乗る」と言い、また青年の財布を抜き取っていたことから、彼のクレジットカードのデータを操作し、あたかも不正に金融犯罪をしたように見せかける。IT関係だったら、犯罪さえお手の物だ。
青年の行方不明事件は一転、詐欺事件の容疑者に変わってしまった。

(これ以降はネタバレあり。未見のかたで結末を知りたくない方は読まないでください(;´∀`))。

シネ弁護士は、青年の両親が復讐のために、ミンホとセヒを殺した可能性を示唆。
青年の母親はホテルに勤めていて、父親を部屋に潜ませることもできるはず、と言う。
そしてすべてセヒのせいにすれば、ミンホを無罪にできる、と言い出した。

ミンホはシネと弁護士契約をする書類を出し、シネの署名をもらうことに。
そのあと、ミンホは衝撃的なことを彼女に告げる。
湖に青年のクルマを沈める前、トランクから物音がし、まだ彼には息があったと。
しかし、レンチで彼を殴打し、クルマを沈めたというのだ。

シネは「それは殺人よ!」と驚き、涙を流す。
それでもすべてセヒのせいにするなら、沈めたクルマに何らかの細工をしないといけないから、その場所を教えるように、ミンホに言う。

ミンホは、当初持っていた書類のシネ弁護士の署名と、さっき貰った署名の筆跡が違っているのに気づく。

シネは帰ろうとクルマにエンジンをかけていたが、降雪でタイヤが空転して動かない。
シネが偽物ではないかと気づいたミンホは、「チェーンを掛けないとだめですよ、いったん部屋に戻りましょう」とシネを家に入れ、彼女を紹介した会長のことを話題に出す。
「会長とは同郷で、高校の後輩だそうですが・・?」「ええ・・」と答えるシネ。
「会長は北朝鮮の出身ですけどね?」と、ミンホは、お前は誰だと問い詰めると、シネは、亡くなった青年の母親だと言うのだった・・・


先般見た是枝裕和監督の「怪物」が、子どもの母親、子どもの担任教師、子ども自身と三者三様の視点からの物語が重層的に語られて「黒澤明監督の『羅生門』的だ」という感想が多く上がっているが、この「告白、あるいはー」も、そういう意味では「羅生門」スタイルかもしれない。

最初に、「ミンホ」が語るホテルの襲撃現場、そして愛人が運転するクルマでの事故現場がスクリーンに繰り広げられるけど、のちに、弁護士のシネが可能性を示唆する「青年の両親による周到なミンホとセヒへの復讐の殴打事件」が展開、そして、最終的には、ミンホは、実は運転していたのも自分で、ホテルの殴打事件も、自作自演だった、セヒと青年と2人も殺人を犯していた・・と「真実の回想」が描かれる。

オリジナルはスペイン映画で、本作はリメイクらしいけど、ソ・ジソプのクズ男っぷり、キム・ユンジンとの攻防、そして女性弁護士の意外な正体、といくつもどんでん返しがあり、最後まで結末が読めないミステリーとなっている。
ナナは、韓国のアイドルグループの一員らしいが、ちょっと北川景子に似た感じ。
キム・ユンジンは「シュリ」を思い出すが、もう今年で50歳。中年の落ち着いた役が似合う年回りになったなあ。
(6月29日、イオンシネマ大野城)
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