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2023年05月16日07:02

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攝津幸彦句集拾読二十七

蜿蜒と炎々と蟻只今旅順
  「鳥子」より。皇国前衛歌五十句中の一句。
 旅順と言われると第二次世界大戦よりも日露戦争が思い浮かぶが、軍港としての価値は時代を違えても変わらない。蜿蜒が道の曲がりくねったことの形容であることから、海路を経ての旅順到着ではなく、陸路、多分満州からあちこち転戦して旅順にたどり着いたとの発想だろう。蟻がその想像に助力する。
 もちろん、敗戦を経て満州から旅順という読みも成り立つ。だが、連作に敗戦から発想した他句は見当たらない。皇国前衛歌のなかで時間的な推移は捨象されている。

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