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2023年05月09日07:01

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攝津幸彦句集拾読二十六

霧去りて万歳の手の不明かな
  「鳥子」より。皇国前衛歌五十句中の一句。鶴彬の
 万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た
を思い出させる句。若干の言葉遊びを加える。
 鶴彬の句での過剰な字余りの因は大陸にあるが、攝津の句では連作中に置くことによりそれをカバーしている。衝撃度は薄まるが、それを承知した上のことだろう。舞台としている昭和十年代から三十年以上を経過している作句時点では、そうとしか書きようがないとも言える。

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