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2023年01月03日07:58

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攝津幸彦句集拾読十九

  梅雨明けの彼岸のベルの凄さかな
 「鳥子」より。けたたましく電話が鳴ったというところだろうが、なぜ電話ではなくベルか。梅雨明けであることから、彼岸が季節行事ではなく、あの世であることも明白。とすると彼岸のベルは電話の発明者ベルであり、なおかつ彼岸から届く呼び出し音となる。発明者ベルが電話を使って最初に発した声が、「ワトソン君、用事がある、ちょっと来てくれたまえ」 という呼び出しであることも、この際有効に働く。
 梅雨明けともなれば、暑さのピークが来るのもすぐそこにある。地獄の釜の蓋も開きがちとなっているだろう。

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