今日は川崎にコンサートに行った。ご招待いただいた、オーケストラ・ダヴァーイの演奏会である。このオーケストラは、ロシアの作曲家の作品を演奏しているアマチュア・オーケストラである。
本日のプログラムは、次のとおりである。
・ラフマニノフ:交響曲第3番
・ストラヴィンスキー:火の鳥 (1910年版)
指揮:森口真司
会場:ミューザ川崎 (13:30 開演)
ラフマニノフの交響曲第3番を生で聴くのは初めてである。割とメジャーな第2番でもなく、有名なピアノ協奏曲でもなく、マイナーな(?)第3番を取り上げるところも、なかなか渋い選択である。実は指揮者も「知らない曲だ」というところから練習開始したらしい。
盛り上がるところもあるにはあるがやや地味な感じ、ロマンティックなメロディーもあるにはあるが、こちらもやや地味な感じ、というのが録音で最初に聴いた印象だが、そんな曲だからこそ、「噛めば噛むほど味が出る曲だよ」と、じっくりと聴いてみてということである。実際聴いてみると確かにそんな感じで、じわじわと来るような、案外良い曲ではないかと思った。これは演奏も素晴らしかったことが大きいだろう。第2楽章冒頭のホルンのソロなど、ほれぼれするような音で、終演後に真っ先に指揮者が立たせたのもホルン奏者だったのも、よく分かる。全体に聴かせどころも心得ているような演奏で、退屈するかと覚悟していた曲が、じっくりと堪能できたのである。
休憩のあとは「火の鳥」だ。この曲は、今年4月にも東京交響楽団の演奏で聴いたばかりだが、その時は1919年版の組曲だった。今日は1910年版である。パリでの初演の際の版である。すなわち、全曲をじっくりと聴くことが出来るのである。1919年版は小規模な2管編成だが、今日のは4管編成で、ハープ3台、カリヨン(鐘)などの打楽器、ワーグナー・チューバに、ピアノやチェレスタも加わった大編成オーケストラで、迫力満点である。
このバレエのストーリーは、王子イワンが火の鳥の魔法の羽根を得て、魔王カスチェイから、捕らわれていた王女や石にされていた騎士を助け出し、最後は王女の一人と結ばれてめでたしめでたし、というようなものだったと思う。どの曲がどの場面と正確には分かっていないところがあるが、なんとなく雰囲気はつかめる。そういえば、「王女たちのロンド」はウクライナの音楽を引用しているのであった。ロシア音楽は好きなので聴く機会は多いが、今年は今まで気にしていなかったウクライナ絡みの部分が気になってしまう。印象に残るのはやはり「カシスチェイ魔王の踊り」の部分だろうか。この不気味さがたまらない。
演奏の途中で、いつの間にかステージ後方に現れたバンダのトランペットやワーグナー・チューバも効果的で、「視覚的も楽しめる」のもこのオーケストラは得意なのだそうだが、今日久しぶりに聴いて思ったのは、管楽器の演奏が素晴らしいことである。アマチュア・オーケストラにありがちな危なっかしいところがなく、音楽に集中することが出来るのである。終演後にどこからか声が上がった。新型コロナウィルス感染防止の観点で声出しは禁止のはずだが、思わず出てしまったのだろう。演奏は素晴らしかったのだ。
会場を出ると小雨が降っていた。これから関東は雨になるらしいが、良い気分で帰宅した。
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