最近読んだ本の、備忘的メモ。
●「土、地球最後のナゾ」 (藤井一至著、光文社新書)
世界の土は12種類だそうだ。この本を読んで初めて知った。黒ぼく土、若手土壌、強風化赤黄色土、ひび割れ粘土質土壌、オキシソル、未熟土、砂漠土、泥炭土、ポゾドル、チェルノーゼム、粘土集積土壌、永久凍土。この土を探して世界を巡り、土を掘ってその特徴を調べていく。傍から見れば怪しいようにも見えるが、これは毎日の食卓を支え、地球の未来を支える本当に肥沃な土を求めての長い旅路なのである。土はどれも同じではない。農業の適さない土も多いのだ。でも、地球は土に恵まれた星である。我々の生活と土は切っても切れない関係にある。自分の足元の土はどのようなものかを知れば、新たな価値が生まれてくるはずなのだ。
●「東京の謎」 (門井慶喜著、文春新書)
日本の首都、大都会の東京。その東京の町が、どのように形成されていったのか、今当たり前のようにそこにあると思っているものが、実はきちんと理由があってそうなったということを、幕末から明治、大正、昭和の戦前、戦後を順に追って書いたものである。「なぜ○○は○○を○○したのか」という形で各章のタイトルが統一されており、今ある企業がなぜその場所で創業したのか、なぜその場所にそれがあるのかなど、それぞれ理由を説明していて、読んでいてもなるほどと思う。もともと都から遠い東国の辺境だった江戸が、徳川時代に大都市の基盤が出来て、そのまま発展していく訳だが、改めてなぜそうなったを考えると興味深い話が多いのである。
●「夜のお茶漬け」 (山口惠以子著、ハルキ文庫)
「食堂のおばちゃん」シリーズ第11作。米寿と六十代後半の2人の「おばちゃん」が営む佃のはじめ食堂は、財布にも心にも体にも優しい。標題作の「夜のお茶漬け」の他、「師走の目玉焼き」、「戦う鴨めし」、「スッポンで一本」、「旅立ちの水餃子」の計5編からなる。佃の再開発計画を持ちかける不動産屋が現れ、この店も新しいビルにテナントとして入ることになるのか。揺れ動く関係者たち。しかし、その不動産屋の不正工事が発覚してお流れに。そして、休日に訪れた高級日本料理店がきっかけで、新たな展開が。6年間働いた若い万里も、ついに独立することになる。今後の展開も楽しみだ。
●「地図鉄のすすめ」 (今尾恵介著、昭文社)
地図好きで鉄道好きなら思わず手に取ってしまう本だろう。地図を鉄道中心に見ていくと、いろいろなことが分かるのである。線路を敷くには地形を無視できないが、地図を見ると線路がなぜそこを通っているのかがよく分かるのである。しかも時代によって、地形に合わせて敷かれたり、真っすぐにトンネルをぶち抜いて通したりする。地図から風景が見えるのである。また、新旧の地図を比較することによって、線路や駅の位置が大きく変化しているところもあるのも分かる。横浜駅や千葉駅の位置が大きく変わっているのは有名だが、改めて地図を見るとよく分かる。そして、実際とは違ういい加減な地図があったり、軍事施設など地図上から存在を消されたり、逆に存在しない線路が書かれていたり、このあたりはネットで情報がすぐに得られる時代とは事情が違うのだろう。
●「生き物の死にざま」 (稲垣栄洋著、草思社文庫)
生き物たちは、どのような最期の時を迎えるのだろうか。人間から見ると不思議なことも、生き物たちにとっては、それは自然なことであり、まさに次世代に命をつなぐための死にざまなのである。生き物にとって何よりも大切なことは、種を維持することなのだ。人間でいえば大人になること、それは他の生物にとっては子孫を残すこと以外にない。卵を産んだりすることは、そのまま母体であるメスの死につながる。オスは交尾を終えると生きている理由はなくなる。それが自然の姿である。そして、最後の方には、人間によって殺されるためだけに生存している生き物の話も加わる。改めて、生とは何か死とは何かを考えずにはいられない本である。
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