忘恩である。
赤い床に目を落とす。
殺意はそこに捨てていく。
【まくしたてるおとこ】
S君の話。
電車でうとうとしていると、諤々と肩を揺さぶられた。
目を開けると目の前に怒りに燃えた男の顔があった。
大きな声で何か言っているが何を言っているのか分からない。
何ですか?わかりません?と返しつつ長いこと一方的に捲し立てる男を見ていた。
がくりと大きく揺さぶられると男は目の前から消えていた。
電車は乗り込んだ二駅先の駅に着いたばかり、7、8分しか経過していないし、ガラガラの車内はとても静かだ。
時々こういうことがある。
以上、本日の怪談である。
うーむ。
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