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2021年09月28日13:05

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阿部拓児『アケメネス朝ペルシア』

 阿部拓児『アケメネス朝ペルシア 史上初の帝国』(中公新書、2021年)を読了。2500年前、アケメネス朝ペルシアはアジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸にまたがる「史上初の世界帝国」として君臨した。「諸王の王」を自任するペルシア大王らは、アフラマズダ神から託されたと信じ、地上世界の統治に向き合った。
 ペルシア大王の世界観では「真」および「偽」という言葉が対照的に使われる。アフラマズダから地上の統治を委ねられたペルシア大王は、世に蔓延る「偽」を取り除くという責務を負っていた。そして、この「真」と「偽」は中心と周縁の関係にもあった。
 ペルシア大王が統治する土地は、ペルシア大王=「真」の統治がペルシアから放射線状に及んでいる。ペルシア大王の統治が及ばない先にはまだ「偽」のままである世界がイメージされている。神の代行者たるペルシア大王はそのような地域を教導しなければならなかった。
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