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2021年07月18日20:35

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【音楽】 オーケストラ・ニッポニカ演奏会 〜松村禎三交響作品展

いよいよ本格的な夏になり、日中の暑さも厳しくなったが、そんな午後に四ツ谷に出かけた。オーケストラ・ニッポニカの演奏会を聴きにいくためだ。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・松村禎三:ピアノ協奏曲第1番
 ・松村禎三:ゲッセマネの夜に
 ・松村禎三:交響曲第1番

   指揮:野平一郎/ピアノ:渡邉康雄
   会場:紀尾井ホール (14:30 開演)

もともとは5月10日に予定していたものだが、「緊急事態宣言」とやらで延期になった。再び「緊急事態宣言」の最中ではあるが、今回は予定通り実施することが宣言されていた。

さて、プログラムは松村禎三交響作品展である。オーケストラ・ニッポニカは芥川也寸志の遺志を継いで、邦人作曲家の作品を演奏するために設立されたオーケストラである。演奏機会の少ない邦人作曲家の作品(それはおかしな話だが)は、こういうところで聴くしかない。松村のピアノ協奏曲も交響曲も生で聴くのは初めてだ。

最初はピアノ協奏曲第1番である。単一楽章で30分の曲である。ピアノは、邦人作曲家の作品を多く演奏し、松村禎三のスペシャリストでもある渡邉康雄である。左手によるCis音をベースにした、ゆったりとした冒頭部分がしばらくソロで続き、やがてオーケストラがそれに絡んでいくのだが、これが延々と繰り返されるような感じで、時おりオーケストラが激しく鳴り響くものの、こんな感じで続いていくような、独特の雰囲気の曲である。作曲家自身によれば「大地から立ち上る自然な歌でありたい」という思いで書いたそうで、いわゆる西洋音楽とは明らかに違う香りがする曲である。じっくりと聴くと、何かしみじみと感じるような曲とでもいえようか。最後も静かに消え入るように終わり、派手にジャンジャンではないのに、演奏が終わると数秒の静寂のあとに盛大な拍手である。やはりいい曲だなと、生で聴いて思った次第である。

このあと、ピアノソロによるアンコール演奏があった。当然、松村禎三の作品だろうと思っていたらそのとおりで、「ギリシャによせる二つの子守歌」の2曲目だ。これがまた素敵な曲なのである。生で聴くことが出来て良かった。

休憩のあとは、「ゲッセマネの夜に」から始まる。この曲は生でも聴いたことがあったかな。これまた独特の雰囲気の曲だが、その独特な響きが耳に残っている。キリストが十字架にかけられる前夜に、ゲッセマネの園でユダがイエスに接吻する絵からイマジネーションを得て作られた作品で、松村の晩年の作でもある。キリスト教は分からないが、「人間の哀しい営みを見通しているイエスのまなざし」ということらしい。

その「ゲッセマネの夜に」のあとは交響曲第1番だ。「アジア的な発想を持ったエネルギーのある曲を書きたい」ということから作られた曲である。「イナゴの大群のように、小さな生命体が群れをなして大きなフォルムを形作る」イメージらしい。なんだか捉えどころのないようなゆらゆらした出だしから始まり、突如大爆発する。第1楽章だけでお腹いっぱいになりそうな曲だが、第2楽章のフルートソロにはじまる静かな楽章で落ち着けると、そのまま第3楽章に突入し、不思議な雰囲気の音型が形を変えながらも延々と続いていく。最後は鉦をカンカン鳴らしたあと、最後に全楽器の強奏によるジャッ!!で終わる。ここは分かっていても身構えてしまう。演奏も素晴らしかった。

あまり聴く機会が多くなさそうな松村の交響曲とピアノ協奏曲だが、やはり生で聴くと良さがわかるものである。演奏会が終わっても、外に出たら相変わらず暑かったが、それは熱い演奏会の名残りも加わったためかもしれない
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