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2020年10月06日12:34

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長部日出雄『天皇の誕生』

 長部日出雄『天皇の誕生 映画的「古事記」』(集英社、2007年)を読了。『古事記』を映画の脚本に再編したレーゼドラマ。天地開闢から神武東征までが取り上げられている。
 「序言」・「インターミッション」・「後記」では著者の『古事記』論が直接的に語られる。それは本編でも情景の描写などに活かされている。それにより原典の行間を膨らませ、神話の再編がなされる。
 例えば日本古代の海部は東シナ海沿岸一帯の文身族とその習俗・信仰を共にしていたとされ、それが海人族の須佐之男命に付き従うことに繋がっていく。国津神は列島の海岸沿いに土着していた古い神であると見なされる。また、須佐之男の狼藉は漁労や狩猟採集で暮らしてきた人々による神出鬼没のゲリラ的な行動と説明される。
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