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2020年06月01日11:46

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「ベン・イズ・バック」

フォト


薬物依存症の治療施設を抜け出してきた息子に対する家族の心情を描く、ヒューマン・ドラマ。
2018年、アメリカ映画。

クリスマスイブの朝、19歳のベン(ルーカス・ヘッジズ)が薬物依存症の治療施設から勝手に実家に戻ってきて、
家族は驚く。母のホリー(ジュリア・ロバーツ)は戸惑いながらも喜ぶが、妹は疑惑の目を向け、すぐに父親に連絡する。
結局、母がずっと監視するという条件で、クリスマスだけ家で過ごすということになるが…

その母ホリーの様子から、ベンがそれまでどれだけ酷い中毒患者であったか、家族がどれだけ傷つき、迷惑を被って来たかが垣間見られます。
ホリーは家中の薬を隠し、四六時中ベンの傍から離れず、何しろベンがトイレに行った時でさえついて行って見張っているのです。
ベンは、もう70日間「クリーン」(薬なしで過ごすという意味らしい)だと話し、母もそんな息子を誇らしいと言うのですが、街の人々の反応は冷ややかだった。
彼は薬の為に、かつて暴力、盗み、ありとあらゆる悪さをし、ガールフレンドまで薬物に巻き込んで死なせていたということが分かって来ます。
ベンと家族が教会のミサから戻って来ると、窓が割られて家の中が荒らされ、愛犬がいなくなっていた。
街の薬物仲間の仕業であるらしい。
更生を誓って必死に努力するも、何処までも執拗に付きまとう凶悪組織。
何があっても揺るがない母の愛には圧倒されますが、彼女は息子を取り戻すことができるのだろうか…?

ベンは以前スノーボードで怪我をし、その鎮痛剤を飲み始めたことから薬物中毒になったという事にも驚きました。
街なかでばったり、その鎮痛剤を処方した町医者に出会った時に、老齢で認知が始まっているらしいその人に、普段は上品で冷静なホリーが「忘れたふりをしたって無駄よ、息子を依存症にしたアンタを私は許さない!さっさと死ぬがいい!」と言い放つところには息を呑みました。

アメリカの薬物依存症の蔓延ぶりについては、色々な本や映画で観て来ました。
終盤ベンが死にかけたところで、ホリーが藁をもすがる思いで使った「ナロソンキット」。
これは、鎮痛剤等のオーバードーズ(過剰摂取)の際に用いられる特殊な薬であり、アメリカでは広く一般に使われているというのです。
この作品の監督・脚本のピーター・ヘッジズ、彼自身の親しい友人や姪が、薬物の過剰摂取で死にかけたのだそうです。
そしてこの人は、私が好きな「ギルバート・グレイプ」の原作者であり、「アバウト・ア・ボーイ」の脚本家でもあるということで、気になっていたのでした。
主演のルーカス・ヘッジズの父親でもあります。

公式HP https://www.allcinema.net/cinema/367058

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