mixiユーザー(id:5501094)

2020年04月25日14:16

127 view

ドナルド・キーン著作集別巻「日本を訳す」を読んで

照る日曇る日 第1391回

2012年に日本国籍を取得して晴れて「日本人、鬼怒鳴門」となり、2019年2月に96歳で逝去したドナルド・キーンの著作集の最後の本を読みました。

「日本を訳す」という総合タイトルの元、15本の講演や折りに触れての短い随想が「右開き」で並んでいますが、それが終わると、234頁に及ぶ膨大な年譜、著作目録、15巻の著作集の総目次、総索引が「左開き」で控えており、これは世にも珍しい左右開きの日本ならではの書物なのです。

そもそもキーン氏がなぜ日本に帰化したかというと、彼が2011年の東日本大震災と福一原発事故に衝撃を受け、「自分の中の日本人」に突き動かされたからというのですが、この人ほど日本と日本人を愛した人は、今の日本人にはいないかも知れませんね。

「日本を訳す」の最後には、鎌倉時代の未曽有の天災に遭遇しながら、単身粗末な方丈で耐えた鴨長明について触れ、次のような力強い言葉で結んでいます。

「絶望することはありません。『方丈記』に記されているような災難はいつの世にも起こりますが、常に日本は蘇り、新たな文化が生まれました。日本人にはそれができます」

 死ぬる時には死ぬるがよいと良寛はいうがコロナなんかで死にたくはない 蝶人

19 9

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年04月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930