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2020年01月30日12:58

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篠田英朗『はじめての憲法』

 篠田英朗『はじめての憲法』(ちくまプリマー新書、2019年)を読了。第二次世界大戦で連合国はポツダム宣言を出して「これで戦争を終わりにしないか」と提案し、日本はそれを受け入れて文書で確定させた。日本はポツダム宣言の内容を履行する義務を自ら受諾し、日本国憲法の制定はポツダム宣言の受諾という国際的な行為から生まれた義務遂行の一つとして行われた。
 ポツダム宣言は連合軍が「戦争犯罪人」を取り締まって彼らの「戦力」である大日本帝国軍などを消去し、「日本人民」が平和的であって責任ある「日本政府」を新たに形成した時、占領体制が終わると約束していた。「戦争」とは自分が達成したい政策を追求するために行う武力行使のことで、国際法上の自衛権とは対応せず、集団安全保障を禁じるものでもない。「戦力」も国際法に反した侵略行為を行うのが目的の組織で、軍隊と同じではなく、自衛隊は憲法上の戦力ではなくて国際法上の軍隊とされる。
 日本憲法の前文にある「平和を愛する諸国民」とはアメリカ合衆国が筆頭格の国連加盟国で、日本はサンフランシスコ講和条約で旧連合国から平和愛好国家と認められた。サンフランシスコ講和条約には日本が国連に加盟し、主権国家として自衛の権利を持ち、それに基づいて集団安全保障を締結することが書かれている。この考え方に従い、日本は国連憲章の集団安全保障がないことを補完するため、地域的な取り決めとしてアメリカと日米安全保障条約を結んだ。
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