照る日曇る日 第1347回
2013年の本だから、中には既に物故された方もおられるだろうが、有名無名の美術家やパフォーマーや、漫画家や道化師、舞踏家、三味線奏者、スナックママ、流し、輸入雑貨店経営者、劇場主など総勢16名の独居老人を取材し、その生き方を多数の写真入りで紹介した書籍なり。
巻頭の秋山祐徳太子の名は知っていたが、そのほかは知らない人ばかり。しかし2018年に亡くなられたアクショニストの首くくり栲象、早稲田松竹のお掃除担当だった荻野ユキ子、同じく福島県の本宮映画劇場館主の田村修司諸氏の生き方には、いたく感銘を受けたことを記銘しておきたい。
著者が「どうすれば絵描きになれるのか?」と尋ねると、画家、美濃瓢吾曰く
「毎日家に居ればいい。そして畳の目ひとつひとつをしつこく描いたり、古いジンボトルのラベルをしつこく写してみるとか、ともかくへたでもいいからしつこくやれ。そうしてそこに祈りのようなものが出てきたらそれでいいんだ」
この「祈りのようなもの」というのは何となく私にもわかるような気がします。
ウイルスがあるか無いかはいざ知らず鎌倉に溢れる観光客たち 蝶人
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