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2020年01月11日23:28

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【音楽】 シサスク 「銀河巡礼」 全曲演奏会 (第3回)

今日は、天王洲にピアノ音楽を聴きに行った。吉岡裕子さんによるウルマス・シサスクの「銀河巡礼」全曲演奏会の第3回で、昨年の9/28の「北半球の星空」、11/3の「南半球の星空」に続き、今回は「赤道の星空」である。

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ウルマス・シサスク(1960- )はエストニア出身の作曲家で、幼少より天体観測に興味を持ち、宇宙や星にちなんだ作品が多い。そして、88の星座全てを音楽にするというのが完成したため、このような全曲演奏会が4回にわたって開かれることになったのだ。

今日のプログラムは以下のとおりである。

 ・ウルマス・シサスク: 銀河巡礼 赤道の星空 (全曲)

   ピアノ:吉岡裕子/語り:高木宏道
   会場:KIWA TENNOZ (17:00 開演)

日入の時刻に合わせて演奏会が始まるので、開始時刻が毎回同じではない。今日は17:00開演だ。「赤道の星空」を全曲通して生で聴くのは、2018年12月の両国以来である。この時の演奏は、吉岡さんと秋場敬浩さんの2人であった。この曲集はシサスクより吉岡さんと秋場さんにささげられており、「狼と蝶」という副題が付けられている。秋場さんが狼、吉岡さんが蝶というわけである。前回は「狼」と「蝶」が、それぞれの曲を演奏したのだが、今日は「蝶」が1人で全曲を演奏するのである。

前回までと同様、ピアノ演奏に合わせて、写真家有賀哲夫さんの撮影による星空の写真がスクリーンに映し出される。そして、高木さんの語りによる、それぞれの曲にまつわる物語(赤道付近の国々の神話など)をはさみながら、演奏が進んでいく。そのことによって、イメージが何倍にも膨らむ。吉岡さんの衣装は「蝶」をイメージしたものだが、両国の時とはまた別であった。ステージ上にも「蝶」の絵が描かれ、高木さんが語る演台に、さりげなく「狼」の顔がある。

今日のプログラムである「銀河巡礼〜赤道の星空」の各曲目は次の通りである。

・第1章:フェニックスについてのギリシャ神話
 −ほうおう座 「動揺する蝶」
 −ろ座 「色彩の神秘」
 −ちょうこくしつ座 「眠れる美」

・第2章:猿と人間を巡るアフリカの物語
 −ちょうこくぐ座 「寺院への旅」
 −ぼうえんきょう座 「優しいタッチ」
 −けんびきょう座 「優しい応え」

・第3章:中国の謎の天地創造
 −ろくぶんぎ座 「陽気な狼」
 −ポンプ座 「強さを増して」

・第4章:ナヴァホ族インディアンの宇宙創造神話
 −てんびん座 「ティンタブルの触手」(さそりの口器)
 −さそり座 「・・・威力」
 −おおかみ座 「蝶あっての狼」

・第5章:パプアニューギニアの星界物語
 −やぎ座 「うぬぼれ狼」
 −コップ座 「クララの爪」
 −がか座 「ちょっとロマンチックに」

・第6章:ツィムシアン族インディアンに伝わる太陽と月の物語
 −たて座 「鋭い剣」(トッカータ) 
 −みなみのうお座 「孤独に漂って」
 −うお座 「悟りを得て」(星空への賛歌)

・第7章:ヒッタイト王国の伝説〜雷と蛇
 −らしんばん座 「夢見る者の幻影」
 −じょうぎ座 「クイッティ・フイッティ」(プレアデスの背後に息づく生命)

・第8章:いて座を巡るギリシャ神話
 −つる座 「しのびの狼」
 −みなみのかんむり座 「魔法の真珠」
 −いて座 「さらなる未来へ」

各曲に付された言葉がまさに曲のイメージである。必ずしも星座の由来とは一致していない。シサスクのイメージなのである。赤道の星座は日本人にとっては馴染みが薄いが、北半球、南半球、赤道と作り進むにつれて、わりとメロディアスな曲も多くなっているようで、演奏を聴いていても、スッと入りやすい曲が多い。前回は「蝶」も激しく、全体に「狼」寄りの演奏に感じ、吉岡さんも「エストニアでは、蝶も優雅に舞うというイメージではないのですよね」とおっしゃっていたが、今日は全体に「蝶」寄りの演奏だったような気がする。もちろん「狼」に分類される曲には、拳や上腕でのクラスターなど激しくバーンという箇所もあり(「ちょうこくぐ座」)、時おり「狼」が顔を覗かせるのであるが。

どの曲も、シサスクの音楽と完全に一体となっている吉岡さんにしか出来ないような演奏だろう。今回も最後まで素敵な演奏会であった。

休憩時間には、シサスクの自筆譜を見せていただいた。これが実に美しく、本当に手書きなのかと思えるくらいきれいなのである。また、今日の演奏曲目ではないが、子供向けに書かれた「星の組曲」の楽譜もあり、これがわりとシンプルな譜面で、これを眺めるとなんとなく自分でも弾けそうな気がしてきた。

最後にアンコール演奏として、その「星の組曲」から、「ベツレヘムの星カペラ」より「ぎょしゃ座の星」と「輝く星」を弾いてくれた。これがまた実に素敵な演奏で、自分でも弾けそうな気がするシンプルな曲と思ったのは大間違いであったことを悟ったのである。

会場を出る前に吉岡さんに挨拶し、感想を伝え、同じ演奏会に来ていた友人と、近くの中華料理屋で食事をして帰った。

次回は最終回の「北極の星空」である。これは日本初演ということで、全く初めて聴くことになる。楽しみである。
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