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2020年01月06日17:29

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気儘徒然句鑑賞五十六

鳥の声 水は力を抜いている(筒井祥文)
 筒井祥文川柳句集「座る祥文・立つ祥文」より。一句後にも水の句がある。
  祭から引く水 旅の口笛に
 さてどちらを選べば良いかと迷うところではあるが、情緒に凭れ加減の祭の句を避けて、鳥の声を選んだ。とは言うものの、この鳥の声が水が力を抜くためにどのように作用しているかは見極めがたい。
 間抜けなカラスの声やのんびりしたトンビの声に応じて水面もだらけているのか、ヒヨドリやモズの鋭い声にもかかわらずにノンビリした水面なのか。あるいは、かまびすしい雀の群れなす声をいなすかのように静まりかえった水面なのか。はたしてどれなのか。
 おそらく、どれでもありどれでもないのが句の解なのだろう。一字空けが深淵のようだ。

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