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2019年07月13日17:59

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映画「こはく」

亮太(井浦新)は、長崎でガラス工芸の工場と店を経営している。
父親は彼が5歳の頃、借金を抱えて失踪。その後、店を継いだ亮太は苦労して建て直してきた。

亮太には母親・元子(木内みどり)と暮らしている兄・章一(大橋彰)がいるが、章一には虚言癖があり、工場長(石倉三郎)や従業員たちが参加する飲み会に顔を出すと、
「今はちょっと長崎に帰ってるけど、東京でプロダクションの仕事をしている。福山雅治とも知り合いだ」と口から出まかせを言う。

亮太には父の記憶があまりない。
しかし章一は「おやじのことは憎んどる」と強い口調で非難するのだった。
亮太は男の子二人をもうけたにもかかわらず離婚。
再婚した妻・友里恵(遠藤久美子)の妊娠がわかるが、自分も父同様「息子を捨てた」父親なのではないだろうか、と思い悩む。

章一が突然、「親父を見かけた」と言い出した。
半信半疑ながら、彼が父を見たという商店街の路地裏近辺を、亮太は章一とふたりで探し回る。
たまたま入ったスナックはヤクザの経営している店で、インネンをつけられてしまった。
章一はまたもや「オレは私立探偵でこの店のこともわかっとると!」と出まかせを口にする。若い衆に脅され、実は行方不明の父親を捜してるんです、と頭を下げる亮太に、親分らしいヤクザ(嶋田久作)は、「あんたの半分は父親でできとるとよ」と言葉を残す。

章一の言うことはどうもあやしい。さんざん弟に振り回される亮太。
ガラス工芸店の従業員に昔のことを尋ね、父の失踪と同時期に、店を辞めた晃子(鶴田真由)の存在を知る。
この女と一緒に逃げたのでは? 兄弟の疑惑は広まっていく。

元子に病気が見つかり、重病だと判明。
病床で元子は「お父さんは優しかったとよ」と兄弟に告げるのだった。

友里恵が無事に出産したのを見届けるように、元子はこの世を去る。
その葬儀の日、記帳の中に晃子の名前を見つけた亮太と章一は、あわてて彼女の姿を探した。そして父親の失踪の真実を知らされ、父が生きていて、長崎の茂木の海岸の工場で働いていることを聞くのだった。
とうとう橘湾に面した、茂木へやってきたふたりは、30年ぶりに父と再会を果たすのだがー。


先日、井浦新がNHKの番組にゲスト出演していて、最新作のこの映画のことが紹介されていたが、長崎でロケをしているとのことで、ぜひ見たくなった。
スクリーンには、見覚えのある長崎の路面電車や長崎の町並みが登場。
母と章一の住む住宅は、長崎市内かと思ったら、佐世保市で撮影したそうだ。佐世保も坂の街なのだ。

物語は、横尾初喜監督の実体験を下敷きにしているらしい。
父の失踪で壊れてしまった家族、そしてまた最初の結婚に失敗して、自らも家族を壊してしまったと屈折を抱える主人公を、井浦新が抑えた演技で見せている。
章一役の大橋彰は、実は裸芸の「アキラ100%」だ。
もともとは学生時代から演劇をやり、俳優志望だったという。
言われてみないとアキラ100%だとはわからない。
長崎弁のセリフは少しスムーズでないところもあるが、愁いを帯びた表情を見せるとき、憎んでいる、と言いつつ父親が恋しい内面がよく出ていると思った。
最後に登場する父親役は鶴見辰吾です。

わたしは公開初日に見に行ったのだが、長崎の観光案内ガイドや佐世保市観光協会の名入りボールペンの「初日来場者プレゼント」をいただきました(*^^*)。
実は夕方の上映回には、監督や井浦新の舞台挨拶があったんですが、すでにチケットは完売。残念でした。
(7月12日、テアトル梅田)
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