昨夕は、彦坂美喜子「子実体日記」の出版記念会に出席。日中、配愚う者から留守番を頼まれ、午後遅くなってからの出発だった。梅田の地下をそぞろ歩きしているとマルビルはよく目にするが、改めて目的地となると、はてどの辺だったかと迷い初めて焦る。開始ぎりぎりの時刻にようやく間に合う。
会は、彦坂さんの会らしく、現代詩、短歌、川柳、俳句と多ジャンルからの出席者多数で行われる。司会役もトップバッターの詩人今野和代、二番手が俳人堀本吟、アンカーが歌人江村彩とリレーして行く豪華さ。大量のスピーチの洪水に愚生は飲み込まれた。
耳が少々悪くなっていることもあって、スピーチの大半を聞き取れなかったが、多くは定型詩と現代詩の融合に挑戦した事への賞賛、少数の異論と言うことになろうか。異論は詩の分かりにくさから来る閉塞感に対するものと、短歌の一首独立の原則を侵犯したことへの違和感とに大別できるかと思う。後者は、歌人にとっては分かるものだったろうが、詩人の大半にはぴんと来ないものだったかもしれない。
これほどの詩集であれば、出版記念会とは別に詩集を読み込むためのパネルディスカッション形式の会があっても良いとは思った。
受付でもらった資料の中に、愚生の書評も同封されていた。あらためて読み返しながら、読後に何か書かねばならないとした義務感を抱えていた頃を思い出した。ここしばらく、あれほどの書くための衝動はない。
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