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2019年06月17日09:24

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新谷尚紀『神道入門』

 新谷尚紀『神道入門 民俗伝承学から日本文化を読む』(ちくま新書、2018年)を読了。神道とは人々が素朴に自然と生命へ感謝し、禊ぎ祓えを実践してその意思を表示する信仰の体系である。古代以来、それは稲作の王としての天皇を中核として伝承がなされてきた。
 伝承には変わりにくい部分と変わってしまう部分があり、神道も時代ごとに幾つもの信仰が繰り返し上書き保存された。古代の神道は「稲の王」である天皇の祈年祭・月並祭・新嘗祭を中心とする神祇祭祀だった。中世の神道は仏教や道教・陰陽道、山岳修験と混淆・習合し、霊威や霊験を信仰・祈願・祭祀した。
 近世の神道は儒学の道徳倫理や国学の古代天皇信仰、幽界・霊界への信仰も含むようになった。近代の神道は立憲君主国家の天皇崇拝を中心とする公的な制度・儀礼で、社会的な精神統合を教導する国家神道だった。現代の神道は宗教法人の神社本庁が包括する全国約八万社の神社神道である。
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