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2019年03月12日20:15

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

最近読んだ本の備忘的メモ。

●「鬼子の歌」 (片山杜秀著、講談社)

「偏愛音楽的日本近現代史」と副題にあるとおり、日本人作曲家の作品をベースに、関連する人物やエピソードをふんだんに盛り込んだ本である。各章の表題として登場するのは14人の作曲家の作品。独特の視点と豊富な知識によって、興味深い内容ばかりが書かれている。西洋クラシック音楽を学びながらも、日本人としてのアイデンティティーを追求しつづけたというのが、各作曲家に共通することか。既読な内容もあるが、それは片山氏が書いたCDの解説で読んだものだ。この本に登場する作品も、手持ちのCDで可能な限り聴き直しているが、聴きたくても聴けないものもある。三善晃「遠い帆」や戸田邦雄「ミランダ」は、録音物が発売されたことすらないそうで、なんなんだと思う。


●「中央本線、全線開通!」 (中村建治著、交通新聞社)

中央線の前身である甲武鉄道が開通してから、現在の中央本線が全通するまでの、径路決定や駅設置をめぐる地域間の誘致合戦、山間部を経由するがゆえの難工事の数々を綴った本である。木曾と伊那の誘致合戦は熾烈で、もしかしたら現在の飯田線が中央本線になっていたかもしれないのだ。今は中央本線は塩尻を境にJR東日本とJR東海に分かれているが、昭和36年の準急「きそ」廃止以降、東京から名古屋までを直通する列車はなく、当時から実質「東線」と「西線」に分かれていた。辰野経由の「大八回り」も塩嶺トンネルの開通で過去のものとなった。中央本線は、今も魅力的な路線である。


●「内房線の猫たち」 (西村京太郎著、講談社文庫)

あらゆる列車や路線で殺人事件を犯している西村京太郎だが、これは少し毛色の違う話だ。「南総里見八犬伝」ならぬ「八猫伝」だ。酒と喧嘩に明け暮れる猫田は、留置場で知合った男に誘われ、館山に行く。そこで、里見家の忠臣は実は「猫」の字が付く八人であり、猫田はその末裔であると告げられる。深夜の駐車場を走る不思議な蒸気機関車を目撃し、戦時中の千葉の鉄道連隊の名誉回復と、里見家の復活に向けて、連隊の生き残りの老人のもと、「八猫士」が力を合わせるが、実はその本当の目的は...。なんだか不思議な、だまされたような話という読後感。


●「リーマン予想は解決するのか?」 (黒川信重、小島寛之著、青土社)

数学史上最大の難問と言われるリーマン予想、「ゼータ関数ζ(s) の自明でない零点s は、全て実部が1/2 の直線上に存在する」は、いまだに解決していない。リーマン予想を証明しようと、数学上の大きな発展があったが、完全解決には至っていないのだ。その解決にクレイ数学研究所は100万ドルの賞金を提示している。この本は、そんなリーマン予想にまつわる現状を、素人にも分かりやすく(とは書いてあるけど、かなり数学の素養は要ると思う)、現代数論の概略を追いながら、リーマン予想のこれまでの道筋を記している。150年以上も数学者の挑戦を退けてきた難問も、あと少しのところまで来ているという説もあるが、果たして解決に至るのか。
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