mixiユーザー(id:5501094)

2019年01月26日09:19

240 view

ウラジミール・ナボコフ著「ルージン・ディフェンス 密偵」を読んで


照る日曇る日 第1194回

本巻におさめられたのは「ルージン・ディフェンス」と「密偵」の2作ですが、前者はチェスの名人の多難な足跡を描いて秀逸です。

著者自身による「あとがき」を読むと、チェスについて造詣の深い著者は、この小説にゲームの特性や定理を取り込んだ手法をちりばめたそうですが、んなこたあまんずどうでもよろし。

チェス以外には、才覚も、社会性も、生きるすべもなき、脳たりんのお人好しのボンクラが、一人の女性に深く愛され、そして死んでいくまでの純真な道行が、読む者の心を揺り動かします。

その感動に比べたら後者の面白さは、ほとんど題名だけというてもよろしいでしょう。


     神戸牛で年寄りを釣るオリックス生命 蝶人


3 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年01月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031