周囲に引きずられて、今までは使わなかった言葉を、ついうっかりと使ってしまうことがある。それに気づいたときに、しょうがないなと思うのか、やっぱり嫌だなと思うのか、反応は自分の中で半々になる。年齢でやや丸くなったせいか、前者の反応が増えつつあるが、どちらかというと後者の反応がやや勝る。
句会の選句理由を述べた最後に、「いただきました」という言い方がよくされる。「選びました」では、なぜいけないのか。たぶん、「選ぶ」がきつく響くことから、避ける心理が働くのだろうか。他人の気分を先回りして推し量る器量のない当方にとってははなはだ妙に聞こえた。
ところが、最近その自分自身の口が「いただきました」と言っているのに気づいた。
愚生は、他人の気分を推し量る器量は持ちたくないと考えている。そこまで丸くなる必要はないし、それでなくとも複雑な日本語をより複雑にするようなまねは避けたい。これは自戒を要する。
いただきますの過去形あわれ餅の罅
ログインしてコメントを確認・投稿する