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2018年12月22日17:21

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井上寿一「機密費外交」

日中戦争を官房機密費から読み解く。
官房機密費(諜報費、広報費、接待費)の明細が残っていることに驚く。
あの狂気の戦争に突き進んで行く前の、満州国をわが領土のごとく扱っていた印象しかない昭和初期に、領収書をとるという民主的手続きが意外にきちんとされていた。
現在はどうだろう。何年か後に、この時代がいかにひどかったのかが暴かれるのか。
僕らは、ほんとうにあの時代のことを反省しているのか。
将来、なんと阿呆な時代だったかと、笑われる時が来はしないか。

日本政府のまともな人々は、満州国を独立国として認めるべきだとの見解を持っていたらしいことに、驚く。初めから国策だったわけではないのだ。「満州国」を植民地としてしか見ない現地関東軍の扱いに相当苦慮していたことがわかる。

停戦協定を何故拡大出来なかったのか。
日中に先立つ日独防共協定締結とソ連を怖れての日中防共協定の見送り、国内財政の逼迫、蒋介石政権の親日派の没落と唐有壬暗殺、の中で、転がるように日中は対立してゆく。そして盧溝橋事件が起きる。

だが、この時代はまだ冷静にことをおさめようとする人々がいたのだ。
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