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2018年10月16日20:35

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国立能楽堂で第17回「青翔会」公演をみて 



蝶人物見遊山記第290回

毎年恒例の若手の能楽研修発表会に行ってきました。今回は舞囃子が宝生流の「田村」、観世流の「胡蝶」、喜多流の「野守」でしたが、「野守」のシテ友枝雄太郎の踊りがダイナミックでした。

狂言は和泉流の「蝸牛」で太郎冠者の野村万之丞に注目しましたが、シテ山伏の河野佑紀に比べると「未だし」という感じでした。

トリの金春流の能「花月」は、(小生が密かに応援している)柏崎真由子嬢が、鬱金の華やかな衣装に身を包んで黄金の喉を披露してくれました。

彼女は「女性ながらにテノールの声」と言われているそうですが、その透明で清澄、そしてどこか中性的な独特の声音は、彼女の最大の武器として、今後多くのファンを獲得するに違いありません。

幼き日に父とはぐれて天狗に攫われた少年、というのが、今回の「花月」のシテの役どころでしたが、例えば足踏みの強弱など、童子の舞の自由闊達さよりも、彼女の持って生まれた匂いたつような優美さがいささか勝っていた、ような気がしたのは私だけでしょうか。

次代の能楽界を担う新進気鋭を、今後とも温かく見守っていきたいと思います。

なお能楽堂では来る11月4日まで「土佐山内家の能楽」展が開催(入場無料)されており、かの山内容堂候遺愛の能面などが多数陳列されており、壮観というも愚かです。


    格別の感慨もなく過ぎてゆく昨日と同じ誕生日の今日 蝶人


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