mixiユーザー(id:4550802)

2018年10月10日15:12

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ゲームの王国/小川哲

 クメールルージュの虐殺に代表される苦難のカンボジア現代史を背景としているが、個性あふれる(という表現はいささか控えめにすぎるかも…輪ゴムによる予言だの、勃起による陰謀看破だの奇人変人がマジックリアリズム的に横溢する!)登場人物たちのおかげもあって、虐殺と拷問でバタバタと人が死んでいく陰惨さにも関らず、どこか軽妙でリーダビリティに優れた一大年代記として成立している。残酷で混沌とした現実に対する解答、あるいは希望としての、明晰な論理に基づく「ゲーム」というアイディアが力強くも輝かしい。
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