mixiユーザー(id:5501094)

2018年10月06日09:05

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岩波文庫版「源氏物語四」を読んで 



照る日曇る日第1146回

本巻に収められたのは「玉鬘」「初音」「胡蝶」「蛍」「常夏」「篝火」「野分」「行幸」「藤袴」「真木柱」の10帖ですが、全巻を通じてのヒロインは、美貌かつ容姿端麗な玉鬘です。

薄倖の身で儚くも散った夕顔の娘は、奇跡的に源氏によって拾い上げられ、冷泉帝をはじめ源氏、蛍兵部卿、夕霧等々、大勢の色男どもの魂魄を宙に舞わせた挙句、なんとなんとムキムキマンの鬚黒大将の毛むくじゃらの手におち、養父役をかってでて蝶よ花よと溺愛し、あわよくばと妄想を逞しくしていた源氏のおとどを、心底がっくり打ちのめしてしまいます。

玉鬘自身は源氏の弟の蛍選手をと密かにねがっていたようですが、玉鬘の女房、弁のおもとが、鬚黒の夜這いの手引きをしたのが「諸悪の?」根源でしたな。

それはともかく、野分けのあとの六条邸を見舞う夕霧が、紫上や玉鬘を覗き見して思いを焦がすところ、鬚黒に哀しい別れの歌を残した愛娘、真木柱の逸話なども、深く心に刻まれます。

   一面の荒れ地に戻りし庭園に餌を求める一羽のヤマバト 蝶人


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