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2018年07月27日10:15

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穂村弘著「ラインマーカーズ」を読んで

照る日曇る日 第1105回

著者の第一歌集「シンジケート」に加えて「ごーふる」、「ドライ ドライ アイス」、「蛸足配線」、「手紙魔まみ」、「ラヴ・ハイウェイ」などのエッセンスを加えた超お買い得のコンピレーショーンである。

 金髪のおまえの辞書の「真実」と「チーズフォンデユ」のラインマーカー

こんなことを言うてもしょもないことだが、ちょっくら、かの塚本邦雄選手を思わせる「半端ない」造歌創造の自在な発露に、いろいろな刺激を受ける。

並の歌人が歌を詠んでも、それはただ既存の歌に一を加えたに過ぎないが、この歌人の場合はそれ以上のもの、ちょっと大げさだが事件のようなものになっている。やっぱり世の中に天才という奴はいるのである。

特に「手紙魔まみ」という一乾坤を、無からでっちあげて、まみちゃんだのゆゆだの、ほむほむだのが、勝手に飛翔する磁場を創造したことが一等偉いのである。

 おしっこを飲むとかそういうのじゃないのまみが貴方を好きな気持は

 水準器。あの中に入れられる水はすごいね。水の運命として

 じつは、このあいだ、朝       なんでもありません

 「前頭九枚目より五枚目をただちに前線へ派遣せよ」

 まみの話をきいてるの?不思議だわ、まみの話をきくひとがいる

そう、まみの話を聞く人は思いのほか大勢いたのである。


   確定囚13名を死地に送った 神はそなたを許さないだろう 蝶人


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