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2018年06月24日08:08

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モクタン・アンジェロ『レオノーラの猛獣刑』

 モクタン・アンジェロ『レオノーラの猛獣刑』(梅原セイ共同原作、Jパブリッシング、2018年)を読了。日本で漫画を勉強したブラジル人の漫画家による歴史漫画。古代ローマの哲学者セネカが書いた『怒りについて』を下敷きにしている。
 セネカも彼をモデルにした架空の人物セネコとして登場する。その弟子である富者ペトルスは『怒りについて』で挙げられた悪例のようなキャラクターとなっている。彼は奴隷や逆らう者を猛獣刑に処し、そのためにライオンを買うのだが、飼育係として奴隷少女レオノーラが付いてきたことで事態は大きく変化する。
 本作は白黒で描かれ、影が多用されており、切り絵のような印象も抱かせる。それが作中に重苦しい空気を与え、レオノーラが置かれた状況の困難さを伝える。単純な終わり方をしていないのも問題の根深さを窺わせる。
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