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2018年06月23日22:54

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【音楽】 東京交響楽団演奏会 〜シューマン夫妻とブラームス

午前中から昼過ぎにかけて少しだけお勉強。普段使わない頭を使って疲れたので、夕方は音楽を聴いて心身リフレッシュという訳で、雨の降る中をサントリーホールに向かった。東京交響楽団の第661回定期演奏会である。無性にブラームスを聴きたくなったのである。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・クララ・シューマン: 行進曲 (ユリウス・オット・グリム編)
 ・ロベルト・シューマン: 交響曲「ツヴィッカウ」
 ・ヨハネス・ブラームス: ピアノ協奏曲第1番

   指揮:秋山和慶/ピアノ:マルカンドレ・アムラン
   会場:サントリーホール (18:00 開演)


先月はブラームスのピアノ協奏曲第2番を聴いたが、今日は第1番である。今日はそれが主目的だが、その他のプログロムも魅力的だ。シューマン夫妻の作品なのだが、2曲とも初めて聴く。シューマンの交響曲は第1番から第4番まではもちろん知っているが、未完成の交響曲「ツヴィッカウ」を聴くのは初めてで、楽しみである。

最初は、クララの作品から始まる。もともとはピアノ連弾曲だったが、ユリウス・オット・グリムが、クララの演奏家60周年記念のために管弦楽に編曲したものらしい。「行進曲」といっても、勇ましい軍隊調の曲ではもちろんない。穏やかで優しい、それでいて結構複雑に絡み合うような、一言でいえばクララらしい作品である(と書いて説明をサボる)。あとでプログラムの解説を読むと、ヒュープナー夫妻の金婚式のお祝いのための作品ということで、納得である。実際、聴いていて、「波乱万丈の過去があったかもしれないが、今は静かに落ち着いて穏やかな気分」というような作品であった。

続いては夫ロベルトの交響曲である。第2楽章までは完成したが、そのあとは作曲されなかった、シューマンの「未完成交響曲」である。クララ・ヴィークが出演するツヴィッカウでの演奏会のために作曲されたが、第1楽章までしか完成されず、演奏会もクララは喝采をあびたが、ロベルトの作品は全く評判にならなかったという。しかし、この演奏会の時にロベルトとクララがのちに結ばれる予感のようなものがあったのだという。作品の方は、第1番よりも前の若い頃の作品らしく、激しさと若さがあふれる作品のように感じた。ところどころシューマンだなと思える響きも感じられ、模索しながらも理想を目指している作品といえようか。なかなか面白い作品で、初めて聴く作品ながら十分に楽しめた。

秋山さんの指揮も、いつもながらきびきびとしていて無駄がなく、作品そのものの良さを最大限に引き出す棒さばきで、指揮姿を見ているだけでもほれぼれする。

休憩のあとは、メイン・プログラムのブラームスのピアノ協奏曲第1番だ。まずはオーケストラのみの長めの導入部があるが、重過ぎず、ややゆったりしたテンポで入っていった。アムランのピアノが始まると、これがまた実に素晴らしい。音に上品な艶がある感じがした。ピアノとオーケストラも絶妙な絡みであり、秋山さんによる細部にわたる丁寧なオーケストラともども、最後まで心行くまで堪能できた。ホルンの音が実に良かったのも印象的。曲が終わった瞬間に、ちょっと落涙しそうになったくらいで、今まで聴いたブラームスのピアノ協奏曲第1番の演奏の中でも、個人的なベスト1かもしれない。演奏が終わると、一瞬の静寂のあと、会場からは割れんばかりの盛大な拍手が起こった。

拍手の鳴り止まない中、アムランが再びピアノの前に座る。アンコール演奏のようだ。何を弾くのかなと期待していたら、なんと素敵な曲。シューベルトの即興曲(作品142-2)だ。このシューベルトの即興曲が、クララ、ロベルト、そしてヨハネスの愛を奏でているように聞こえたのは、今日のプログラムのせいだろう。ブラームスのピアノ協奏曲で大いに沸いた会場を、シューベルトで静かに落ち着かせ、今日の演奏会は終了である。

会場に着いた頃は結構激しく雨が降っていたが、終演後に外に出ると雨は完全に上がっていた。なんとなく疲れていた気分が、演奏とともに晴れやかになったようで、良い心持ちで駅に向かった。
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