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2018年06月16日17:08

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【音楽】 日本を題材にしたクラシック音楽

今日は天気もいまひとつだし、体調も万全でないので、自宅での休息日とした。合間に音楽を聴きながらのんびりと過ごして、心身ともリフレッシュである。

今日は「日本を題材にしたクラシック音楽」のCDを引っ張り出して聴いている。日本を題材にしたクラシック音楽というと、有名なのはプッチーニの歌劇「蝶々夫人」だろうが、実は他にも結構あるのである。

聴いているのはこんな曲である。

●ルドヴィク・イルゲンス=イェンセン (ノルウェー、1894-1969)
 ・歌曲集 「日本の春」

   ソルヴェイグ・クリンゲルボルン (ソプラノ)/リュー・チャー指揮ノールショーピング交響楽団

ベートゲの翻訳による日本の和歌の管弦楽伴奏付き歌曲集である。「今日」(凡河内躬恒)、「花咲く小枝に」(藤原広嗣)、「風の中の柳」(詠み人知らず)、「ひとりの友に」(凡河内躬恒)、「愛の音」(セガワ?)、「物思い」(伊勢)、「やさしい獲物」(詠み人知らず)、「孤独」(小野小町)、「うつろいの中で変わらぬもの」(紀友則)の9曲からなる。日本の和歌に基づくとはいえ、必ずしも日本的な音楽ではないが、どこか(西洋から見た)遠い国の異国情緒を漂わせているような、独特の趣がある音楽で、クリンゲルボルンの素敵な声でしっとりと歌われる。


●レーヴィ・マデトヤ (フィンランド、1887-1947)
  ・バレエ音楽 「オコン・フオコ」(全曲)

   アルヴォ・ヴォルメル指揮オウル交響楽団/オウル室内合唱団、他

パントマイム・バレエに付けた音楽である。日本の人形師オコン・フオコは、自ら作った人形(ウメガヴァ)に生命を与えるが、そのウメガヴァにフオコは魂を奪われ、ついには切腹により自らの命を絶ってしまう、というのがストーリーの概要だ。「コッペリア」に似たような話だが、それにしてもオコン・フオコという名前はどう見ても日本人ではない。どういう名前がフィンランド人の耳にそう聞こえたのだろうか。Umegavaは梅川? フオコの恋人Yiaiは弥生? SaitoとかKomasavaとかOkuraとか、日本人ぽい登場人物も出てくる。音楽の方はというと、内容から想像するような日本的なメロディーはほとんど出てこないが、なんとなくそれらしい雰囲気を出そうとしている箇所もある。細かいことは抜きにして、楽しめる音楽ではある。パントマイム・バレエの実演も見てみたい。


●フェリックス・ワインガルトナー (オーストリア、1863-1942)
 ・歌劇 「寺子屋」

   ジャック・ラコンブ指揮ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
   サイモン・パウリー(バリトン)/クレメンス・ビーバー(テノール)
   フィオヌアラ・マッカルティ(ソプラノ)/ヤナ・クルコヴァ(メゾソプラノ)
   カトリーン・レヴェク(ソプラノ)/ステファン・ブロンク(バス・バリトン)
   エレナ・ツィドコヴァ(メゾソプラノ)/フルカー・サビロ(テノール)、他

日本の歌舞伎「菅原伝授手習鑑」四段目切「寺子屋」をオペラ化したものである。登場人物もGenzo(源蔵)、Tonami(戸波)、Matsuo(松王)、Schio(千代)、Kotaro(小太郎)、Kwan Shusai(菅秀才)など、そのままである。菅秀才の首を差し出せと迫られ、源蔵は小太郎の首を討つ。せまじきものは宮仕え。「むうこりゃ菅秀才の首討ったわ。紛いなし相違なし」と玄蕃に告げる松王。実は小太郎は松王の実子であり、菅秀才の身代わりにするために寺子屋に遣わしていたのである。宮仕えのためとはいえ、自分の子を犠牲にしてしまった夫婦の悲哀。この極めて日本的な話がヨーロッパ人の作曲意欲にどう結び付いたのだろうか。ドイツ語で歌われる西洋人によるオペラで、ここから日本人の心の機微を感じるのは元々無理だろうが、音楽としては好ましく仕上がっているような気がする。

●カール・オルフ (ドイツ、1895-1982)
 ・歌劇 「犠牲」

   ジャック・ラコンブ指揮ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団
   キャスリン・レヴェク(ソプラノ)/ライアン・マックニー(バス・バリトン)
   ウルリケ・ヘルツェル(メゾ・ソプラノ)/マルクル・ブリュック(バリトン)
   エレナ・ツィトコーワ(メゾ・ソプラノ)/ヤーナ・クルコーヴァ(メゾ・ソプラノ)
   ブルクハルト・ウルリヒ(テノール)

「寺子屋」をオペラ化したのはワインガルトナーだけではない。このオルフの「犠牲」も全く同じ「寺子屋」を題材にした歌劇である。登場人物名もそのまままだ。この極めて日本的な話が、2人もの欧州の作曲家の心を捉えたようだ。オルフのこの歌劇は、18歳の多感な青年時代の作品である。最初に静かに歌われる合唱が、「日本的」にも聞こえて、なかなかよく出来ているなと思ったら、No demo yama demo kowa umiokeyo Senryo kurayori koa takara と日本語で歌っている(よく聞き取れないが)。中程でも「さくらさくら」が日本語で歌われる。Tomani(戸波)が、Saukura Sakura Yayoi no Sora wa と歌うのだ。他はもちろんドイツ語だ。ワインガルトナーの「寺子屋」より長めで、劇的である。

●ペール・ヘンリク・ノルドグレン (フィンランド、1944-2008)
 ・小泉八雲の怪談によるバラード

   舘野泉 (ピアノ)

放浪の末に日本に帰化し、日本の説話を好んだラフカディオ・ハーン(小泉八雲)。その怪奇文学の傑作「怪談」の物語をもとに、これまた日本を愛し東京藝大に留学したフィンランド人ノルドグレンが作ったバラード集である。演奏するのは、一部の作曲を委嘱した舘野泉である。「お貞」、「雪女」、「無間鐘」、「おしどり」、「むじな」、「ろくろ首」、「耳なし芳一」、「食人鬼」、「十六桜」の9曲からなる。なんともいえぬ不気味な雰囲気が漂い、夏の夜などにはお勧め(?)の音楽だ。ちなみに「雪女」は東北か北陸あたりの話ではなく、武蔵國青梅の伝説なのだ。これは以前青梅に行って知った。
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