「アメリカ暴力の世紀」ジョンＷダワー

批判が自由なことがアメリカの懐の深さだ、みたいなアメリカ賛歌がいかにお花畑かがわかる。それは第２次大戦後に「民主主義」の名のもとに、アメリカが犯してきた罪を軽減などしない。

人・モノ・カネすべてにおける圧倒的な軍事体制。
基地があろうがなかろうが、米軍は世界を軍事力で支配する。
戦争は民間を巻き込んだ巨大産業と化し、コスト感覚で支配される。

第２次大戦後に大きな戦争はなかったという誤解。
戦争、紛争、テロのほぼすべてにアメリカが関わっている事実。
朝鮮、ベトナム、湾岸、どれだけの戦争、紛争で、どれだけの死者が出て、どれだけの人々が難民になったか、どれだけの子供たちが殺されたか。
淡々と書かれる数字の事実。
人類の根本的なバカさ加減に絶望するしかない。

２０世紀が戦争（暴力）の世紀だった、のではない。
アメリカ、いや人間が、人間社会が暴力そのものなのか。