司悠司『豊臣三国志 南柯亭夢筆・著『軍書狂夫 午睡之夢』より』(横田順彌監修、出帆新社、1994年)を読了。明治時代の歴史改変SFである南柯亭夢筆『軍書狂夫 午睡之夢』を現代語で翻案している。
「軍書狂夫」とは戦記オタクの意味で、『軍書狂夫 午睡之夢』はそのような原作者が午睡で見る夢のような戦争が起こる。その夢物語はナポレオンが史実では失敗したエジプト遠征に成功したところから始められる。インドから東のアジアも征服しようと欲したナポレオンは、近代のフランス軍だけでは心許ないと考え、地獄に使者を送ってアレクサンドロス大王やカエサル、ピョートル大帝らを甦らせてヨーロッパ軍を結成する。
対してアジアでも項羽と劉邦や三国志の豪傑たちが中国軍を立ち上げ、チンギス・ハーンやティムールも味方に加える。他にもヨーロッパ軍はアメリカに、中国軍は日本に援軍を要請するが、日米は専守防衛の局外中立を取る。しかし、日本軍を組織した豊臣秀吉は、真田幸村や楠木正成を従え、漁夫の利を狙う。
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