mixiユーザー(id:6806513)

2017年08月14日15:15

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広河隆一「帰還の坑道」

DAYSJAPANの集会に行ったときに買おうとしたら、すぐに売り切れていたので、後日送ってもらった。

日本人のトンネル技術者が、パレスチナの地で、最初はいやいやながら難民避難のための地下坑道建設を指揮し、彼らに同化する、という話だ。
広河が書いたという先入観を差し引いても、戦場の臨場感はすごい。
映像よりも言葉の方が記憶に定着する。

拷問される場面は、趣味としては読みたくないが、広河が書くのだからディテールは想像ではあるまい。ほんとうにうんざりする執拗さである。
が、結局自白してしまい、その直後に助けられ、それが仲間に不利益を与えなかった、という結末は、広河のいつものあの穏やかな佇まいを彷彿とさせる。

読みたい方はDAYSJAPANにメール連絡してみたらいいと思う。
パレスチナ問題理解の助けになるし、小説としても素晴らしい。
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