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2016年11月07日23:56

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星群艦隊/アン・レッキー

 Ancillary三部作の完結編。皇帝アーナンダの暴政に立ち向かう主人公という構図は一貫していてで、物語内のタイムスパンや移動距離的にも1巻目よりはるかに小規模なのだけれど、その代わりに成長した主人公(とそれに感化された周囲の人々)の視点の広がりと、異星人、異文化圏など多勢力の混入が、最終巻に相応しいスケール感を与えている。それになにより、そんな宇宙の命運のかかった大混戦のなかで…登場人物たちがとても一生懸命なところがなんともおかしくも愛おしい。基本みんな軍人だったり人造人間だったりAIだったりなのに、皆よく泣くこと!このシリーズ最大の特徴である人称の女性形統一もあって、結局脳内では宇宙女子高、スペース山百合会的なビジュアルで読み進めることに個人的には落着してしまった。あるいはコズミック・ウテナ。心の気高さだけは絶対に忘れない人とヒトでないものたち。(小川一水が混線した模様)。茶器の心配しかしてない兵隊とか、全然人間を模様できてないエイリアンの大使(醤油を飲み干すじゃない!)とか、脇を固めるキャラもスペオペとしても濃ゆすぎです。そしてその心の気高さ(と若干のはったり)だけで銀河皇帝に勝利してしまう主人公!こんなに読みにくいのに、読み進めるのをやめられないシリーズも「ニューロマンサー」以来かもしれない。
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