mixiユーザー(id:4550802)

2016年09月07日23:05

188 view

望楼館追想/エドワード・ケアリー

 原題Observatory Mansions。孤独と愛の物語、あるいはゴーメンガ―スト×「すげこまくん」?メガネと白衣の代わりに、この物語の主人公の「ATフィールド」は白手袋、それ抜きには他人に触れることもできないという哀しい頑なさよ。「白い手袋の十箇条」なんでものまで作って固守しているという・・・もうこの主人公(37歳)の造型だけでもう、ダメだ。その他出てくる人出てくる人、皆が一般世間では途方もなく生きにくそうな、癖の強い人々でもう愛しくてたまらない。旧家の秘密、地下の宝物、業病に犯されたヒロイン、と道具立てならゴシックな館ものなのだけれど、結末に待つのは館の炎上ならぬ解体業者、というのがなんとも現代的で、それもまた滑稽で、哀しい。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する