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2016年07月28日21:50

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読書日記Nо.934(福沢諭吉の「学問のすゝめ」)

■橋本治「福沢諭吉の『学問のすゝめ』」2016年6月幻冬舎刊

前日記でとりあげた、加藤陽子さんの「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」
は、文庫本だったので、解説があり、それを書いていたのが、なんと橋本治さん。

橋本治さんは、馴染みの著述家で、この10年間の読書日記でも、たぶん10本以上
読書日記を書いている。

福沢諭吉の「学問のすゝめ」は、明治5年の刊行なので、今から140年くらい前
の本だが、21世紀の平成の世になっても、なぜか気になっていて、本書が書店
の店頭に並んでいたので、手に取ってしまった。

早速、ちと長いですが、惹句を紹介。

“君も賢くなれる、と諭吉は言った—ー。で結局、何を学ぶのか?
いまだにベストセラー!!(当時20万部、岩波文庫71万部)
感動!興奮!泣ける!! 橋本治の熱血講義”

“全十七編のうち「初編」(冒頭たった10ページ)だけ読めばいい。
超有名なのに、みんな
実は内容をよく知らない、
『学問のすゝめ』の魅力とは―”

“自由とは? 平等とは? 明治政府って何やるの? 天皇ってどんな人?
藩と国はどう違う…? まだ庶民が江戸脳だった明治5年に出版され、当時20万部
の大ベストセラーとなった『学問のすゝめ』。列強侵略の脅威を一旦は免れたものの、
その真の恐ろしさや近代化のなんたるかが全然わかっていない日本人に、諭吉は
何を学べと言い、彼らを熱狂させたのか?” 

“当時の時代背景や、ことばの意味、諭吉の思考回路もおりこんだ新感覚の解説本。
そしてなぜ現代人も、時代の節目節目に、この本を繰り返し読んでしまうのか、その
理由も明らかに! 蒙【バカ】が大嫌いな福沢諭吉の、蒙【バカ】への愛まで伝わって
くる、感動の講義録。”

いやぁ、凄いですね、この惹句。
見城徹の幻冬舎の編集者、恐るべし!

目次と小見出しの抜粋も紹介。

第一回 明治五年の頃
 ・まだ“江戸気分”の明治に出された「学問のすゝめ」
第二回 学問とは何か
 ・これからは「自分の頭で考えろ。それが学問だ」
第三回 虚学と実学
 ・諭吉は「商売のすゝめ」を書いたわけではない
第四回 福沢諭吉がまず言いたかったこと
 ・全十七編の“ブログ本”で重要なのはどこか
第五回 自由になったら何をする
 ・国民が賢ければ、政府も賢くなると諭吉がしきりに匂わせたわけ
第六回 「啓蒙」って何だ?
 ・「何をどうしたらいいのでしょう」という困った問いに諭吉は答えた
第七回 敵がようやく姿を現す
 ・理想から離れてゆく現実。諭吉、地団駄を踏む
第八回 もしも世の中がバカだらけなら
 ・新しい時代の生き方がさっぱり分からなかった日本人を前にして
第九回 私はやらない、君がやれ
 ・「学問のすゝめ」はノウハウ本じゃないことを、しつこく押さえておく
第十回 現在進行形としての「学問のすゝめ」
 ・そして今、「学問のすゝめ」のあの一文が立ちはだかるということは

橋本治節、全開の、諭吉の「学問のすゝめ」講義ですが、いやぁ、インスパイア
されまくりでした。

明治5年から、140数年経った、平成28年の今でも、諭吉の思いはたぶん
実現できていないのではないでしょうか。

でも、明治5年に、アジってしまった、諭吉の思いは、古典として今でも、
日本人の魂に触れてきます。日本人、いかに生きるべきかと(^^♪

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