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2016年06月13日22:37

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「殺人者たちの午後」トニーパーカー

終身刑受刑者ヘのインタビューが10編

殺人という出来事が自分の周りでは起こらない。
自分が加害者や被害者になどなるはずがない。
そう思っている者にとっては、殺人者たちのこの普通さは理解出来ないのだろうか?

カポーティは「冷血」を書きながら、何度も投げ出したいと思ったらしい。
しかし、彼は作家として冷血を放棄しなかった。
このモチーフを中村文則は「去年の冬、きみと別れ」に使った。
犯罪の実話を書くとは、そのようなことなのだろう。

しかし、このインタビューは違う。
ごく普通の人々が、ごくありふれた理由で、殺人者になりうる。
だって、人間と言うのは刃物で刺せば傷つくし、鈍器で殴れば、へこむ。
子供がうるさいからちょっと口をふさげば、窒息する。
そういう出来事を「悪魔の所業」だと、切り捨てられる人々を、僕は信用しない。

坂を転がる可能性はどこにでも、誰にでも、ある。
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