mixiユーザー(id:547825)

2016年05月13日11:23

356 view

「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち」

フォト


ナチス残党のアイヒマンの裁判を通して、世界中にホロコーストの実態を知らしめようとした
テレビマンたちの姿を描いた人間ドラマ。

1960年、ブエノスアイレスに隠れていたナチスの重要戦犯アドルフ・アイヒマンが
イスラエル諜報機関によって逮捕され、翌年、イスラエルで裁かれることになる。
テレビプロデューサーのミルトン・フルックマンと、監督レオ・フルヴィッツは
この世紀の裁判をテレビ中継しようと意気込む。
「ナチスがユダヤ人になにをしたのか、世界に見せよう。
そのためにテレビを使おう。
これはテレビ史上、最も重要な事件となるだろう。
過去、現在、そして未来においても」
しかし、様々な妨害が入り…

フォト

その時代、ホロコーストの実態が欧米でもあまり知られてなかったという事実に
まず驚きます。
ホロコーストを生き延びたユダヤ人たちも、その体験をあまり語ろうとはしなかった。
或いは、話しても誰にも信じて貰えなかった。
そうした100人以上のユダヤ人たちが強制収容所の実態を、裁判で次々に証言する。

フォト


映画は、アウシュビッツやダッハウでの実際の記録映像、そして
エルサレムでの裁判の記録映像が織り込まれながら進みます。
その収容所での実際の映像というのが凄い。
ヴィクトール・フランクルの「夜と霧」といった手記や
或いは沢山のホロコーストに関する映画を観て、多少は知っているつもりでいましたが…
骨と皮ばかりの裸の人間の死体の山が、ブルドーザーでかき寄せられる様子。
その夥しい死体の山が、ゴミのように巨大な穴に落とされる様子。
やはり実映像に敵うものはない。

フォト

そういった実映像が裁判で映し出され、法廷の証人たちは証言しながら
泣き出したり、気分が悪くなったり、或いは倒れてしまったり。
テレビ中継している男たち(皆ユダヤ人)も、辛い記憶が蘇って
正視することができなくなる。
そしてその裁判中、終始表情を変えない、ユダヤ人虐殺の指揮者アイヒマン。
有罪か無罪かと裁判官に問われて、あくまでも無罪だと繰り返す。
自分は命令に従っただけだと。
4ヶ月に渡る裁判の間に撮影された映像はすぐに編集され、
世界37カ国に向けて放映されたといいます。

これは、アウシュビッツ解放70周年を記念して作られた作品なのだそうです。
地味な小品ながら、訴えかけてくるものがあります。
「誰もがアイヒマンになりうる」
差別や偏見を少しでも持つ限り。
監督レオの言葉が、重く残ります。

「アイヒマンショー」 http://eichmann-show.jp/
10 20

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年05月>
日 月 火 水 木 金 土
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031