引越しやら職務の申し送りやらでバタバタしてて、ちょっと体調を崩してしまいました。
昨日の夜は食事を少なめにして早々に床に就いたのですが9時頃に目が覚めて眠れなくなり、ふと思い立って宮崎吾郎監督の「コクリコ坂から」のDVDを観てました。
カルチェラタンと呼ばれる、文系男子の溜まり場みたいな建物の存廃をめぐる騒動の部分が、何だか昨今の国立競技場騒ぎに似ていて、つい吹き出してしまいました。
そうなんですよねー。ワールドカップやろうがオリンピックを招致しようが知ったこっちゃないんですが、イヴェントにかこつけて何でもかんでも新しいイレモノを作りゃいいってもんじゃないですよね。
本作で描かれた学生集会でのこの重要な台詞をいま一度、我々は反芻せねば。
「古くなったから壊すというなら、君たちの頭こそ打ち砕け!
古いものを壊すことは過去の記憶を捨てるのと同じじゃないのか!
人が生きて死んでいった記憶を蔑ろにするということじゃないのか!?
新しいものばかりに飛びついて歴史を顧みない君たちに未来などあるか!
少数者の意見を聞こうとしない君たちに、民主主義を語る資格はない!」
ついでに言うとこの作品、朝鮮戦争において日本人の「戦死者」が出ていることにも言及しています。ヒロインの父親がLST(強襲揚陸艦)に乗務していて機雷に蝕雷し、亡くなったという設定については公開当時、あまり触れる人がいなかったようですが、これって結構重要なことですよね。
政府の安全保障法案の内容が明らかになったとき、私は真っ先にこの「コクリコ坂から」のことを思い出していました。
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