オットー・プレミンジャー監督の異色ミステリ「バニー・レークは行方不明」がついにDVDリリースされました。
ずいぶん前にWOWOWさんで2度ほどオンエアされたきりの本作、リリースを待ち望んでいた方も多かったのではないでしょうか。
ところはロンドン。ニューヨークからやってきたばかりのアン・レークは4歳になる娘・バニーを迎えに幼稚園へ。しかし、娘の姿はどこにもありません。それどころか、皆がバニーの存在を知らないと言います。
いかに入園初日とは言え、誰もバニーを見ていないとは!
兄のスティーヴンの協力を得、警察を動員して捜索するも、手がかりはありません。調査が進むにつれ、意外な事実が浮かび上がります。アンは幼い頃、自分のイマジナリー・フレンド(空想上の友達)に「バニー」という名をつけていたのです。さらに、船でロンドンに来たはずのアンとバニーですが、船会社には二人の乗船記録がないことも判明。
果たしてアンは正常なのか? バニー・レークという娘は実在するのか?
ヒッチコックの「バルカン超特急」をはじめ、「行方不明もの」のスリラーはいくつかありますが、その不気味さ、薄気味悪さにおいて、本作はトップクラスと言えるでしょう。
後半で明らかになる真相ですが、これは今でこそそう珍しいものではないけれど、公開当時(1965年)の観客にはかなりインパクトがあったのではないかと思います。
物語のあちこちに散りばめられたアイテム(やや変態気味の隣人の存在や、「人形のお医者さん」など)も、作品の異様さを印象づけるのに大いに貢献しておりました。
特筆すべきはヒロインのアンを演じるキャロル・リンレーの不自然なまでの美しさ。シングルマザーではあるけれど、どこか女学生のような可憐さを持っているのが非常に奇妙なのですよ。
未見の方は、機会があればどうぞ。ソール・バスがデザインしたオープニング・タイトルも見事ですぞ。
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