過去の記憶を見ないふりをして、人は生きる。
それでいいのか?
現在が平穏ならばそれでいいのか?
過去の記憶をすべて暴いたうえで、主人公はどうしたのか。
それと向き合い、つきあっていくのか、去るのか。
この話は、まるで、過去の記憶を締め出して薄氷の平和を守ることに汲々とする、彼の心の母国
日本への巨大なエクスキューズのようだ。
戦争の記憶を呼び起こさないことが平和への唯一の道だと頑なに信じ、世界で起こるあらゆる紛争をひとごととと思い続けて来た、日本への巨大なエクスキューズだ。
こういう真摯な疑問は、過去の記憶を「ねつ造したうえで」呼び覚まし、現実主義という名の「アメリカ追従しかない」と恫喝する最悪の、思考停止政権の姿勢とは、まったく相容れないものだ。
呼び覚ますのは「大日本帝国」ではない。
国際社会で評価されるために、僕らはここにいるわけではない。
日本人だけのために、ここにいるわけでもない。
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