「東京プリズン」を書いた動機がこれなのだ。
戦後の日本は左翼的だった(なぜなら民族主義が一夜にして覆される程度のものであったことを認めたくなかったからだ)から、保守の何たるかがまったくわかっていない、「反左翼」でしかない、哲学など何もない、「大日本帝国」を懐かしむような政権が出現する。
そして、その政権は(強い日本などと言いながら)なぜかアメリカべったりである。大日本帝国を取り戻したいくせに、かつて叩きのめされたアメリカに秋波を送る、この分裂は何なのか?
日本は分裂に慣れている。理論を重視しないことに慣れている。
それが、少しわかる。
さて、次は河合隼雄「中空構造日本の深層」だな。
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