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2015年02月21日08:19

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チャン・イーモウ監督の「単騎、千里を走る。」をみて



bowyow cine-archives vol.772


高倉健が主演した2005年製作の日中合作映画で、おしもおされぬ大家となったチャン・イーモウが監督している(日本撮影分はお馴染み降旗康男だが、あまり好きではないので無視することにする)。

なんで高倉扮する老主人公が単身中国の雲南州に出かけたかというとガンで瀕死の息子が同地で収録を果たせなかった仮面劇公演を息子に代わって撮影しようと思った、という鄒静之の脚本なのだが、しょっぱなから私は躓いてしまった。

いくら長き絶縁関係を修復するためとはいえ、いきなり「単騎、中国を走る」とはあまりにも展開が不自然である。

現地に入ってから、我らが主人公は、中国の官僚制や彼我のコミュニケーションギャップによって何度も破綻しそうになるのだが、このひたむきで健気な「親子愛」に感動した異国の人々の「国境を超えた人間的な絆」によって健さんは悲願を達成したかにみえたが、時すで遅かったというような見え見えのクリシェに最後までついていくことはできなかった。

冒頭と掉尾は荒れ狂う海に向かって一人たたずむ我らが健さんといういままで何度も見せられてきた図式的な映像が提示されるのだが、こういう平成東映映画のような図像も遥か昔に賞味期限を過ぎた代物なのであろう。


  中国を憎むは容易く愛するは難ししばらくは黙って眺めていよう 蝶人

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