ローレン・ターシス『火山の大噴火』(メディアファクトリー、2015年)を読了。大災害を扱った児童書のシリーズで、本書は火山の噴火で滅亡した古代ローマのポンペイ市をテーマにしている。
子供向けであるからか奴隷の少年マーカスが主人公になっている。マーカスは新しい主人のせいで父親と離れ離れになるもポンペイで彼と再会するが、父は剣闘士をさせられていた。ゲルマン人の奴隷でありながらも前の主人に教育されて研究者となっていたマーカスの父は、ポンペイの危機を予測する。
その予測は正確すぎて個人的には萎える。主役たちだけが真実を知って他の連中は馬鹿というスタンスがどうにも受け入れられない。分かりやすさを目指した結果なのだろうけど、倫理的にも主人公たちは現在の価値観から善とされている。
ログインしてコメントを確認・投稿する