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2015年02月09日08:48

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久野修義『重源と栄西』

 久野修義『重源と栄西 優れた実践的社会事業家・宗教者』(山川出版社、2011年)を読了。源平合戦は大量死が相次ぎ、東大寺も戦火に見舞われ、社会や個人を救済すべき仏教者の存在意義が問われた。新しい資質を求められた僧侶は、自らのあり方を反省し、我が身を厳しく律した。
 重源と栄西も教義を学ぶよりも実践行を行い、各地を訪ねて様々な地域の実情に触れた。彼らは海外の聖地へと向かい、宋の新文化を摂取した。中国と国交は途絶えても商人の船は往来していた。
 重源と栄西は海外からの新技術・新様式を導入して編制し、東大寺の大仏を再建した。大仏再建事業は東大寺復興に留まらず、未曾有の戦死者を出して傷付いた社会を慰撫・浄化し、内乱で混乱して疲弊した地の復興を目指した。重源は個人的な力量によって再建活動を推進したが、栄西は政治権力に自己の宗教を認知させ、勧進活動を制度化させていった。
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